ほかならぬ人へ

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愛の本質に挑む 純粋な恋愛小説
愛するべき真の相手は、どこにいるのだろう?
「恋愛の本質」を克明に描きさらなる高みへ昇華した文芸作品
第22回山本周五郎賞受賞第一作!

「だけどさ、アキちゃんの奥さんって偉いよね。ちゃんと戻って来たんだから。いまだってきっといろんなぐちゃぐちゃした思いはあるんじゃない。それでもやっぱり自分にとってアキちゃんがベストの相手だって気づいたから帰ってきたのかな」
そう言われると「そんなことはないだろう」と明生は当たり前に思う。明生自身もなずながベストの相手だとは思えなくなっていた。
「何か証拠があるんだよ」
気づくと明生はそう口にしていた。
「証拠?」
渚が訊き返してくる。
「うん。ベストの相手が見つかったときは、この人に間違いないっていう明らかな証拠があるんだ」
「それ本当?」
「たぶんね。だってそうじゃなきゃ誰がその相手か分からないじゃないか」
「だからみんな相手を間違えてるんじゃないの」
「そうじゃないよ。みんな徹底的に探してないだけだよ。ベストの相手を見つけた人は全員そういう証拠を手に入れてるんだ」
「そうかなあ」
渚が再び疑問を呈する。
「渚には靖生兄貴が必要な人だけど、靖生兄貴には麻里さんが必要なんだ。でも、そういうときには両方とも間違っているんだよ。ほんとは2人ともベストの相手がほかにいるんだ。その人と出会ったときは、はっきりとした証拠が必ず見つかるんだよ」
いままで思ってもみなかったことが口からすらすら出てきて、明生は内心びっくりしていた。
「ふーん」
「だからさ、人間の人生は、死ぬ前最後の1日でもいいから、そういうベストを見つけられたら成功なんだよ。言ってみれば宝探しとおんなじなんだ」

Chinese (Traditional)

應該要愛的人到底在哪裡呢?
本書收錄以男女之間無解的戀愛課題為主題的2篇小說。

「ほかならぬ人へ」(給真命天女)
27歲的宇津木明生擁有含著金湯匙出生、擔任大學教授的父親,朝著學術研究之路邁進的2位兄長,出生在人人稱羨的精英家族,但是他一直認為自己一定是生錯地方了。
喜歡足球的明生不顧周遭的反對在體育用品店工作,2年前在招待客人的酒店認識了奈津菜,再次不顧周遭的反對和奈津菜結婚。但是奈津菜卻突然對明生表白自己還在意過去交往的真一而睡不著覺,然後真一的妻子也突然打電話給明生,說其實真一和奈津菜2人的關係在婚後也一直持續著。明生忍不住追問奈津菜,沒想到奈津菜惱羞成怒離家出走。詩意的明生找了公司的前輩─33歲的東海倫子商量,慢慢地受到前輩的吸引。前輩就算奉承也絕對稱不上是美女,但在工作上或個性上都是值得信賴的人。
不久,在奈津菜身上發生了令人感到衝擊的事情,明生會‧‧‧

「かけがえのない人へ」(給無可替代的人)
在全球電力公司上班的美晴,父親是電線‧電纜公司老闆,還和東大畢業的同事─水鳥聖司訂有婚約,乍看之下一帆風順,卻和過去的上司─黑木藕斷絲連。黑木向來喜歡突然打電話給美晴,在美晴的房子吃過飯之後,同時滿足自己的欲望。美晴明明就有未婚夫了,為何執著於粗俗的黑木?黑木從5歲開始到進大學為止的13年間,被東京都內的孤兒院當作人球踢來踢去。美晴的看到這樣的黑木,常常覺得原來吃苦也不一定會讓一個人成長。
另一方面,公司的業績不好,打算和其他公司合併,引起公司內部的鬥爭,黑木的後台─藪本常務的立場也變的危急‧‧‧

本書特色

細膩描寫戀愛的本質,翔傳社創社40周年的紀念代表作,獲得第142回直木賞!直木賞評審委員對於作者的精緻文體和構成力讚不絕口,也是獲獎的最大因素。

English

白石一文[シライシカズフミ]
1958(昭和33)年福岡県生れ。早稲田大学政治経済学部卒業。文藝春秋務勤を経て、2000(平成12)年『一瞬の光』でデビュー。’09年『この胸に深々と突き刺さる矢を抜け』で山本周五郎賞を、翌’10年には『ほかならぬ人へ』で直木賞を受賞

Chinese (Traditional)

白石一文[シライシカズフミ]
1958年生於福岡縣。早稻田大學政治經濟學系畢業,任職於出版社。2000年處女作《一瞬之光》一問市即備受好評。並且不斷挑戰不同主題的創作,著有《不自由的心》、《在君之側》、《看不見的門與鶴的天空》等書。近年來,白石一文獲直木賞的呼聲很高,今年終於獲得第142回直木獎。白石一文的父親─白石一郎也是直木賞的得獎人,成為直木賞史上第一對獲獎的父子檔。

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